* 腹痛 *
腹痛はへそ周囲あたりの痛みの事を言います。
胃や腸といった消化器系に起因するものだけでなく、循環器系、泌尿器系、婦人科系などに起因するものもあります。
内蔵痛と体感痛の二種類があります。
内蔵痛は痛みの部位が明確でなく、周期的にお腹全体が何となく痛いという鈍痛で、吐き気や悪心、冷や汗といった症状をともなうことがあります。
また、内蔵痛は自律神経との関係も深く関与しています。
体感痛は刺すような鋭い痛み(疝痛)が持続的に続きます。
内臓痛よりも痛みの部位がはっきりとしています

東洋医学では原因をこう考えます。
① 寒邪:冷えがお腹に入ったり、冷たいもの、生ものを食べて、それらが腹部のエネルギーを損傷し、胃腸が動かなくなる事によって腹痛が起きます。急に発症したり、四肢や腹部の冷え、軟便を伴う事があります。
② 食滞:大量の食物がお腹の中で蓄積し、それらが腹部の中で停滞し、胃腸の機能が失調する事によって腹痛が起きます。胃のあたりの張り、げっぷ、酸があがる、下痢などの症状を伴う事があります。
③ 脾陽虚:腹部のエネルギーが足りないため、体温が上がらず、機能が落ちて余分な水分が溜まる事によって腹痛が起こります。空腹時や疲労時に痛み出したり、精神疲労、寒がり、倦怠などを伴う事があります。
④ 気血両虚:虚弱体質や胃腸が弱かったり、出血や病後などによりエネルギーと血の不足が原因で機能が落ちて余分な水分が溜まる事によって腹痛が起こります。顔色が悪い、精神疲労、元気がない、食欲不振、不眠、動悸、息切れなどを伴う事があります。
⑤ 瘀血:術後、産後、外傷などにより、エネルギーと血が不足し、血流が停滞し、古い血が溜まる事によって胃腸の機能が失調し、腹痛が起きます。痛みが強いです。口が渇くが飲みたがらない、月経痛、月経血はどす黒く血塊が混じる、下腹部の痛みなどを伴う事があります。
⑥ 肝鬱:精神的なストレス、怒り、緊張が原因で、肝の気がスムーズに流れないために、胃腸の機能が失調し、腹痛が起きます。胸の張りも強くなります。イライラ、怒りっぽい、のぼせ、火照りなどを伴う事があります。

よく、腹痛=ストレスの症状とも考えられています。
嫌な事があると原因不明の腹痛が起きる事があります。
食べ過ぎが原因ならば、食べ過ぎる意識にもヒントがあります。
ストレスによって機能は落ち、体温も下がります。
胃腸は、食物はもちろん、こころの中も消化しようとする臓器なのです。

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