* 子宮内膜症 *
子宮内膜症は、子宮の内側だけに存在するはずの子宮内膜組織が、女性ホルモンの影響を受け卵巣や卵管など子宮の内側以外のところで発生して増殖する病気です。
子宮以外場所には、子宮内膜組織が排出されるところがないため、出血した血液はその部分にたまってしまい、様々な症状を起こします。
内膜は出血口がないため、生理のたびに子宮内膜症の症状が悪化します。
子宮内膜症の原因ははっきりとはわかっていませんが、20代から30代に多く、冷え、ストレスなどが影響していると言われています。

症状としてこのような事があげられます。
① 月経量が多い
② レバーのような塊状の血がでる
③ 生理痛がひどく、薬が効きにくい
④ 生理後も出血がだらだら続く
⑤ 生理以外の下腹部痛
⑥ 性交痛がある
⑦ 排尿痛や排便痛がある
⑧ 外陰部に痛みがある
⑨ 頻尿気味
⑩ 腰痛や肛門痛がある
⑪ 不妊
⑫ 倦怠感や疲労感を感じる

東洋医学では原因をこう考えます。
① 脾虚:もともと消化が良くなかったり、食べ物の質や量、疲れによって気が足りなる事により、血を身体の中に溜めておく事ができなくなります。月経不順だったり、だらだらと出血が止まらない。顔色が悪い、倦怠感、息切れ、むくみ、食欲低下などを伴う事があります。
② 腎陽虚:冷え性で虚弱体質、更年期や性行為の過多で腎気(生命エネルギー)の暖かいエネルギーが少なくなる事により、血を身体の中に溜めておく事ができなくなります。月経が大量、またはだらだらと続く。お腹が冷えると痛む、手足が冷たい、足腰が冷える、寒がり、精力低下、軟便などを伴う事があります。
③ 肝虚:長期による肉体的疲労や精神的ストレスなどにより、肝機能が落ち、血を身体の中に溜めておく事ができなくなります。少量の出血がだらだらと続く。顔色が悪い、めまい、不眠、皮膚の乾燥、便秘、目の乾きなどを伴う事があります。
④ 腎陰虚:熱がこもりやすい体質で出血や慢性病、性行為の過多により血を身体の中に溜めておく事ができなくなります。少量の出血がだらだらと続く。頭痛、めまい、耳鳴り、痩せやすい、手足が熱い、不眠、寝汗、口の渇きなどを伴う事があります。
⑤ 血熱:活発な体質で辛いものの取りすぎや風邪などをひき熱が出ると血の流れが勢いついて、血を身体の中に溜めておく事ができなくなります。急激な出血。血のにおいが強い、口の乾き、イライラ、便秘などを伴う事があります。
⑥ 痰火:味の濃いものの取りすぎや身体の中の水分が溜まって熱となって血を損傷し、血を身体の中に溜めておく事ができなくなります。急激な大量な出血。血のにおいが強い。おりものが多い。口の乾き、体が重い、胸苦しい、胃のつかえ感、むくみ、陰部の痒み・痛みなどを伴う事があります。
⑦ 気滞:敏感な性格でさらに大きな悩みや怒りの感情を持つようになり、肝の機能が失調し、血を身体の中に溜めておく事ができなくなります。精神的な刺激で出血する事が多い。血の塊が混ざる事がある。胸や脇の張った痛み、イライラ、目が赤い、顔が赤い、口の乾き、めまい、頭痛、ため息、便秘などを伴う事があります。
⑧ 瘀血:産後や病後や弱った免疫時に冷えや熱が身体の中に入ってしまい、そこにストレスも加わると流れが悪くなり、溜まった血を身体の中に溜めておく事ができなくなり、いっきに出ます。血の塊が混ざる事がある。お腹が張り、顔色が黒っぽい、皮膚の乾燥、血が出ると楽になるなどを伴う事があります。

子宮は感情を溜める役割もするので、婦人科疾患は精神ストレスが大きな原因とも言われますが、ストレスの質(ネガティブ、怒りなど)によってもどの臓器がどのように障害をもたらしてしまうのかも違います。
また人によって体質も性格も違いますので体質改善も精神の癒しも考慮した治療となっていきます。

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