* 月経異常 *
女性の身体の特徴として妊娠という事があります。
現代はそれまでに色々な困難に立ち向かっていけなければなりません。
人生の中の様々な不調の中に生理不順という困難に出会う人も多いようです。

月経不順は、周期の乱れとして①月経周期が24日以内の頻発月経、②39日以上の稀発月経、③月経がない無月経(生理が90日以上来ない)があります。
月経血の量の乱れとして①過多月経、②過少月経、他にも生理前症候群や不正出血などがあります。
これらの原因の約70パーセントが脳の視床下部に問題があると言われています。
視床下部の障害は、基本的に環境の変化や人間関係などによる精神的ストレス、運動不足、肥満、ダイエットや激しい運動、不規則な生活などの生活習慣によって起こります。

①頻発月経:排卵がある場合、卵胞期、黄体期が極端に短いのです。無排卵の場合卵胞内で卵子が大きく育たなくて排卵が起こらず、月経期がすぐに来てしまい、量が少なく、だらだらと2週間も続くこともあります。
②稀発月経:周期が長くても、定期的にあって毎回排卵があれば問題はないとされていますが、油断はできない状態です。年に3~4回という場合は卵巣や下垂体の機能不全の可能性もあるので病院を受診したほうが良い。
③過多月経:量が多く8日以上ある。レバーのような血の塊が出る場合は要注意で、原因として子宮筋腫、子宮内膜症、 子宮腺筋腫などが考えられます。
④過少月経:量が少なく1~2日で終わる。原因として、子宮の発育不全やホルモンの分泌異常などが考えられます。また、無排卵の場合もあります。(ピルを飲んでいる人は過少月経になることも)

東洋医学ではこのように原因をみます。
■月経が早い
① 湿熱:元々体温が高めだったり、辛いものをよく食べる事で熱が発生しやすくなり、血の動きが早くなる事によっておこります。血量が多い、体が重い、むくみ、口の乾き、便秘などを伴う事があります。
② 鬱熱:精神ストレスが強い状態が続くと、熱が発生しやすくなり、血の動きが早くなる事によっておこります。血塊が混ざる事がある、胸や脇の張り、不眠、めまい、便秘、頭痛、お腹の張り、イライラ、口の苦味などを伴う事があります。
③ 腎陰虚:慢性疾患などで、体力低下にともない血を傷つけると、熱が発生しやすくなり、血を留めておけなくなる事によっておこります。血量が少ない、頬が赤い、不眠、手足のほてり、口の乾き、寝汗などを伴う事があります。
④ 脾気虚:元々胃腸が弱く、食べ物の不摂生や日々の疲れ、長期の悩みなどによって、消化器の機能を低下させ、血を留めておけなくなる事によっておこります。血量は多い、息切れ、倦怠感、不整脈、食欲不振、むくみ、無気力、軟便、汗がだらだらと出るなどを伴う事があります。
⑤ 肝腎虚:心身ともに疲れが溜まっていたり、元々虚弱体質だったりすると、血を貯めてある肝機能が低下し、血を留めておけなくなる事によっておこります。力がない、足腰がだるい、肩こり、手足の冷え、難聴、不眠、頭痛、忘れっぽい、倦怠感などを伴う事があります。
■月経が遅い
① 寒邪:身体を冷やし続けていたり、冷たいものを食べる事によって、血の流れが遅くなります。血の塊が混じる事がある、お腹の痛み・冷え、手足の冷えなどを伴う事があります。
② 気滞:ずっと気分が晴れなかったり長期にわたるストレスが多い状態が続く事によって、血の流れが遅くなります。イライラ、胸や脇の張り、ため息、口の苦味などを伴う事があります。
③ 腎陽虚:元々虚弱体質で冷え性を持っていたり、性行為の過度などにより、体を温めるエネルギー不足により、血の流れが遅くなります。手足の冷え、寒がり、足腰のだるさ、頻尿、軟便などを伴う事があります。
④ 肝血虚:日々の疲労や目を使う仕事、貧血などによって、血の流れが遅くなります。皮膚の乾燥・痒み、不整脈、めまい、不眠、便秘などを伴う事があります。
⑤ 瘀血:病後や産後、または怪我などによって古い血が留まる事で、血の流れが遅くなります。血塊が混じる事がある、顔色が黒っぽい、皮膚の乾燥、臍のまわりが硬いなどを伴う事があります。
■月経がバラバラ
① 気鬱:クヨクヨしていたり、急に怒ったりして精神が落ち着かない時期が続いていると、血を貯めている肝の機能が活発になりすぎたり、動きが鈍くなったりして、月経が乱れます。イライラ、胸や脇の張り、ため息、口の苦味などを伴う事があります。
② 腎精不足:元々虚弱体質であったり、性行為や出産の過度によって、生命エネルギーや婦人科系の維持をしている腎の機能が活発になりすぎたり、動きが鈍くなったりして、月経が乱れます。耳鳴り、難聴、頻尿、めまい、手足の冷え、手足の冷え、精力の低下、軟便などを伴う事があります。

子宮はストレスや感情など、色々なものを溜め込む臓器でもあります。
簡単に精神ストレスと言いますが、ストレスの質によってもどの臓器がどのように障害をもたらしてしまうのかも違います。
また人によって体質も性格も違いますので体質改善も精神の癒しも考慮した治療となっていきます。

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