* 卵巣嚢腫 *
卵巣にできた腫瘍のうち、良性であたかも風船に水が溜まったような腫瘍を卵巣嚢腫と言います。
卵巣腫瘍の80%~90%は卵巣嚢腫であると考えられていますが、良性と悪性の鑑別が難しいため、きちんとした検査を受ける必要があります。
卵巣はホルモンを分泌し、毎月排卵するため、細胞分裂が盛んに行われています。
そのため、卵巣は腫瘍が多発しやすい場所の一つとされています。
大きさも様々で、ピンポン大からグレープフルーツ大以上になることもあります。

卵巣嚢腫の種類は、卵巣の中に何が溜まったかによって分類されます。
① 漿液性嚢腫:水のような液体が溜まった腫瘍で、最も多い種類です。
② 粘液性嚢腫:どろどろとした粘液が溜まった腫瘍です。
③ 皮様嚢腫・成熟嚢胞性奇形腫:毛髪や歯、脂肪などが入った腫瘍です。
④ 子宮内膜性嚢腫:子宮内膜症が原因になってできる嚢腫です。

卵巣嚢腫は一般に症状が無いのが特徴ですが、腫瘍が大きくなると、下腹部が大きくなって気付くことや、茎捻転を起こした時には下腹部に激しい痛みが生じることがあります。

東洋医学では原因をこのように考えます。
① 脾気虚:もともと消化器系が弱いところに生ものや冷たいものの食べ過ぎなどでお腹に冷えが生じ、水分の代謝がうまくいかなくなり、毒素となり停滞します。冷え、むくみ、倦怠感、軟便などを伴います。
② 痰湿:水太り体質だったり、湿気の多い環境によって、消化機能の低下となり、食べた物がエネルギーに変わらず、余分な水分が体内に停滞したため水分の代謝がうまくいかなくなり、毒素となり停滞します。頭が重くめまいがする、頭痛、耳鳴り、のぼせる、胸や胃のあたりがもたれる、吐き気、痰がたまる、食欲低下、むくみ、下痢などを伴う事があります。
③ 気鬱:日ごろの心の葛藤を腹にためると、エネルギーと血の流れが悪くなる事で、水分の代謝がうまくいかなくなり、毒素となり停滞します。乳房が張り、月経がスムーズに来朝せず、経血に塊が混じります。イライラ、口が苦い、ため息などを伴う事があります。
④ 腎陽虚:もともとの虚弱体質、老化、性行為の問題によって腎の温めるエネルギーは少なくなり、水分の代謝がうまくいかなくなり、毒素となり停滞します。温めると楽になります。全身の冷え、寒がり、腰痛、夜明けの下痢、軟便などを伴う事があります。
⑤ 瘀血:出血や怪我をした事がある事によって古い血がたまり、流れにくくなる事から、水分の代謝がうまくいかなくなり、毒素となり停滞します。固定痛があり、刺すような痛みが起こります。月経血に多くの血塊が混じります。皮膚の乾燥、顔色が黒っぽいなどを伴う事があります

女性の身体の特徴として、感情を溜める役割もするので、婦人科疾患は精神ストレスが大きな原因とも言われますが、ストレスの質(ネガティブ、怒りなど)によってもどの臓器がどのように障害をもたらしてしまうのかも違います。
また人によって体質も性格も違いますので体質改善も精神の癒しも考慮した治療となっていきますので、頑張りすぎたりしないよう、怒りやネガティブをできるだけ溜めないように心かけるように自分をいたわる事も必要です。

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